介護業界を取り巻く環境

1950年に約100万人だった75歳以上人口は、現在1,700万人を超え、更に団塊の世代が75歳を超える2025年には2,100万人を超えると推定されております。この推定に基づけば、国民の5人に1人が75歳以上になると考えられており、これに伴い介護事業者数も急激に増加し、2025年には介護給付費が約20兆円になると推定されております。国家の一般会計の総額が約95兆円なので、介護給付費のみで一般会計総額の約2割を占めてしまうことになり、何か対策を打たなければ介護保険制度そのものの存続が危ういという状況なのです。
そこで、厚生労働省は介護業界の変革を図る為、4つの基本方針を出しております。基本方針とその影響についてまとめた下図をご覧ください。

今後も、上記の4つの方針に基づいて報酬改定が行われ、全体的に基本サービス費は削減され、加算項目が増加していくことが予想されます。そうなると、報酬改定による方向性の変化への急な対応が難しい小規模事業者は、ますます経営が厳しくなっていくのではないでしょうか。

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高齢者人口及び割合の推移(昭和25年~平成52年)

資料:昭和25年~平成27年は「国勢調査」、平成28年及び29年は「人口推計」
平成32年以降は「日本の将来推計人口(平成29年推計)」出生(中位)死亡(中位)推計
(国立社会保障・人口問題研究所)から作成

注1)平成28年及び29年は9月15日現在、その他の都市は10月1日現在
 2)国勢調査による人口及び割合は、年齢不詳をあん分した結果
 3)昭和45年までは沖縄県を含まない

介護業界のM&A

3年に一度の報酬改定により、事業のその後が大きく左右される介護業界では、M&Aが事業戦略において有効的な手段として活用されています。では、どの様な理由でM&Aが行われることが多いのでしょうか?下に、一般的な譲渡理由と譲受理由をまとめたので、ご覧ください。

報酬改定の影響が大きい介護事業者にとって、ある特定のサービスのみを行うことはリスクが高く、例えば通所介護から短期入所介護や訪問介護へとサービスを拡大する為にM&Aを行ったり、ある程度規模が大きくなると不採算事業の切り離しの為にM&Aを行うことも近年頻繁に見受けられます。

【介護業界M&A事例】

実行月 スキーム 譲受企業 譲渡企業 譲受企業事業内容
2016年7月 株式譲渡 ニチイ 小田急ライフアソシエ 在宅介護・施設介護
2015年12月 株式譲渡 損保ジャパン日本興亜ホールディングス ワタミの介護 施設介護
2014年10月 株式譲渡 綜合警備保障 HCM 訪問介護・施設介護
2014年10月 株式譲渡 ダンロップスポーツ キッツウェルネス スポーツ用品製造・販売
2014年1月 株式譲渡 ゼンショーホールディングス 介護サービス輝 フードサービスチェーンの経営
2013年11月 株式譲渡 ソニーフィナンシャルホールディングス シニア・エンタープライズ 金融持株会社

ここに挙げたものはほんの一例で、大小様々な規模でのM&Aが行われており、その正確な数を把握する事は非常に困難です。大手企業は積極的な情報開示を行っていますが、中小企業の場合は開示を行わない事も少なくなく、「前オーナーが役員としてそのまま残る」場合などは、M&Aを実行した事が周囲に知られない事すら、珍しくありません。
買手にとって「メリットがある」提案となっていれば、売手の規模・状況を問わず、家族経営の1施設から、複数地域に及ぶ大型の案件まで、M&Aが成立します。

弊社支援実績

弊社では、非上場の中小規模介護事業者M&Aの支援実績が豊富です。ご支援した案件の概要について掲載致しますので、ご参考下さい。

支援案件①

譲渡企業 介護事業者(サービス付き高齢者向け住宅+高専賃)
譲受企業 介護事業者(デイサービス)
譲渡理由 後継者不在
相乗効果 デイサービス顧客の囲い込み効果
スケールメリットの獲得
保険事業以外の収入(家賃収入)
お泊まりデイサービスの規制対策
懸念材料 デイサービスに比べコストが高い(リスクが高い)
本業の抜本的解決に繋がらない
論点 譲渡企業と譲受企業のエリア
譲受後のビジョン(高齢化が図れるか)

支援案件②

譲渡企業 介護事業者(デイサービス+訪問介護)
譲受企業 調剤薬局業
譲渡理由 報酬改定による減算で経営悪化
相乗効果 調剤業界も在宅事業への転換が迫られており、当事業を譲り受けることで、顧客の獲得や1回あたりの利用単価向上につながる。
懸念材料 従業員のスキルアップが必須
本業と連携をとる為社内管理体制を構築
譲渡企業の近くで薬局を新規開設する為、薬の需要があるか否か
論点 従業員のスキル向上に向けた取り組みが可能かどうか
薬局において当エリアの商圏が魅力的かどうか
経営に改善余地はあるかどうか

支援案件③

譲渡企業 在宅介護事業者(デイサービス・訪問介護・訪問看護他)
譲受企業 小売卸売業(食品)
譲渡理由 従業員等の管理に限界を感じる
介護サービスプラスワンに限界を感じる
譲受理由 顧客層の拡大⇒高齢者層の取り込み
配色サービス提供先の探索
相乗効果 譲渡・譲受企業双方の補完性が高い
介護事業の拡大によるスケールメリットの獲得
懸念材料 譲渡後の介護事業管理面に問題
相乗効果を発揮するまでに年月がかかる
論点 譲渡後の管理体制をどうするか
譲渡・譲受企業間での従業員の交流が可能か

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サービス内容

介護業M&Aの注意点

介護業は、その成り立ちの背景やビジネスモデルの特異性から、一般的な営利法人のM&Aとは異なる注意点が存在します。

  • 経営法人の多様性
    株式会社や有限会社の他にも医療法人や社会福祉法人など、介護業を営むことができる法人は多様であり、経営法人により企業評価の方法やM&Aスキームが異なる為、注意が必要です。
  • 許認可
    M&Aスキームや経営法人により、許認可の引継ぎが出来ない可能性が有る為、注意が必要です。
  • 簿外債務
    施設の耐震性や不動産の事業用定期借地契約、過去の行政処分経験や未払給与の存在など、介護業のM&Aには様々な簿外債務が存在する為、注意が必要です。
  • 介護報酬改定
    3年に一度の報酬改定により事業者の収支差率に大きな影響があり、報酬改定の前後で企業価値や譲受手の数に大きな変動がある為、注意が必要です。
  • 地域性
    サービス提供地域により、高齢者人口や利用者の特徴、許認可取得可能性が異なる為、注意が必要です。

名南M&Aのご支援

「赤字だから良い価値は付かない」は誤解です
買手のスケールメリットを加味する事で、赤字が出ていても価値が付く事例は多いです。実績に基づく「企業評価と提案プロセス」でご支援します。
最適な「出口戦略」の相談パートナーとなります
「M&Aありき」ではなく、オーナー様および親族にとって、理想的な出口戦略をご提案します。

譲受企業のポイントと名南M&Aの支援

適切なハードルレートで、適切な判断をする必要があります
報酬改定を理解し、投資計画の策定をご支援します。