2020年10月30日

withコロナの譲受企業

withコロナの譲受企業
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 コロナによってM&A案件の交渉が保留となってしまったり、白紙に戻ってしまったケースが多く見られました。
業種によってはたとえコロナが収束しても元には戻らないと思われる業種もあります。
 一方でM&Aを実行するチャンスと考え、動き出している譲受企業が増えています。
活発に動く譲受企業が増えている背景にはどのような理由があるのでしょうか。

1.企業価値の下落
 コロナの影響で売上高が落ち込んだ企業は多く、それに伴いコロナ前より企業価値が下落した企業が増えています。
本来であれば、譲渡企業は企業価値が下がれば譲渡を渋る、もしくは再検討する可能性が高くなるはずですが、
コロナの影響で先行きが見通せない状況のため、想定を下回っても検討を継続しており全体的に企業価値が下がっています。

2.譲受企業のM&A戦略
 企業価値が下落しているとはいえ、譲受企業も大きな影響を受けています。買収は危険だとの判断から、M&Aの検討をストップしてしまった企業も多くあります。一方でコロナ禍においても冷静に今後の市場を分析していた企業は、今がチャンスと考え活発な動きを継続しています。

3.新たな譲受企業の参入
 譲渡を検討する企業の増加、企業価値の下落から、今まであえて取り組んでこなかった事業へ参入のためM&Aを選択する企業もあります。
新しい事業分野への進出を考え、そのノウハウや人材確保の好機ととらえた企業がM&Aを選択しています。

 上記のように、譲渡企業の増加、企業価値の減少から、資金力があり、 市場分析をしっかりおこなっている譲受企業にとっては投資の好機が訪れています。 今後も市場は大きく動くことが予想され、先行きはまだまだ不安定です。 これから先は確固たる戦略を持った企業以外はふるい落とされ、資金力があり今後のビジネスに確信をもつ企業が残っていくと予想されることからそういった企業による譲受の動きが、市場の活発化につながっていくと思われます。