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Interview

会計事務所様インタビュー

「お客様への価値観を共有できる同士として」

税理士法人 池脇会計事務所

グループ代表 池脇 竜太 氏

30年以上前から取り組んできたM&A事業

池脇会計事務所様はM&A事業に早くから取り組まれていますが、業界の黎明期から現在の状況についてお聞かせいただけますか。

私たちは1991年ごろから本格的にM&A事業への取り組みを開始しています。「顧問先の悩みに応えたい」という強い思いが原点です。当時はまだM&Aというと、大企業が行う「買収」のイメージでした。でも我々は顧問先を「後継者不在による廃業の危機」から救うための方策として、第三者による事業承継は大きな選択肢と考えていました。ここ数年はM&A市場が活発になってきて、プレイヤー(M&A仲介会社)もずいぶん増えてきたと感じています。

池脇会計事務所様の先代と弊グループ創業者は仕事上の‘戦友’のような間柄だったと聞きました。長いお付き合いですよね。私たちもM&A業界黎明期から携わってきて、税理士事務所を母体としてきた当グループの中で、2001年にM&Aの専門部署を立ち上げ、2014年には名南M&A(株)として分社化し、現在に至ります。池脇会計事務所様では、M&Aに関する業務を税理士事務所の職員の方々が兼務されているとのことですが。

はい、戦略的に「兼任」としています。もちろんM&A事業のみを発展させようと思えば専任にした方がいいのですが、当事務所はどちらかというと、お客様である顧問先に対して、医療で例えるなら‘総合医’を目指しています。さまざまなサービスを高いレベルで提供したい。だから「税務に精通した人」「M&Aに詳しい人」など、得意な分野は担当によって違うけれど基本的には各自が‘総合医’。すべては「顧問先視点でのサービス提供」のためです。名南M&AはM&A支援に特化しているけど、マーケット規模や特徴が異なることもあり、当事務所は顧問先へ幅広く提供するコンサルティングメニューのひとつとして取り組む、というスタンスの違いはありますね。

本気のプレイヤーたちが集う、学びの場

名南M&Aは全国にネットワークがありつつ本社は名古屋、当事務所は北海道が拠点のためマーケットが被らないから、本音の部分で情報交換ができるありがたい存在です。名南M&Aが不定期で開催する勉強会の参加メンバーとの交流も、毎回とても楽しみなんですよ。名南M&Aの勉強会にはM&A業務を実際に行っている会計事務所職員が集まるので、実務で発生する具体的な悩みを相談しあえたり、情報密度が高く、知識向上に繋がります。実績が豊富な名南M&Aが情報共有してくれるのもありがたいし、会員同士でいい刺激を与え合っていると思います。

ありがとうございます。勉強会は「会計事務所様で実際にM&A事業を行っている方」が参加される集まりなので、「より具体的な情報交換ができる場」を意識しています。池脇会計事務所様は、北海道エリアで「顧問先のニーズに応えるためにM&A事業に取り組んでいる」というお話でしたが、今後の展開についてもお聞かせいただけますか?

もともとは、顧問外のお客様のM&A案件が多かったですが、ここ数年は既存顧問先の永続を優先すべく顧問先を中心にサービス提供をしています。マッチング先については弊社内での内部マッチングのケースが多くなっていますが、マッチング先が外部であっても我々は顧問先のFAとして携わり、行く末をきちんと見届けることが重要と考えています。これまでお世話になった関与先に最後まで携わらせていただくことが会計事務所の役割であり、そのためにも我々のM&A事業について、顧問先への周知を徹底する必要があると思っています。そして、名南M&AやMykomon M&Aネットワーク会員の皆様という信頼できるパートナーがいるということは、とてもありがたく、心強く感じています。

お客様を守り、事業を次世代へつなぐ

M&A事業の魅力って何だと思われますか?

顧問先の事業を後世につなぐこと、それによって譲受先の事業発展に寄与できること、その結果として地域経済の発展に寄与できることですね。

一般的なM&Aコンサルティングは買い手と売り手のマッチングまでが業務範囲ですが、私たちはM&A成約後も顧問契約が続くケースがほとんどです。そのため、必然的に「その後」の状況を見ることができます。ちょっと本質から外れるかもしれませんが、先日も事業承継が完了して数ヶ月が経過した譲渡側の社長さんとお会いした時に、その顔がとても穏やかで優しい顔つきだったのが印象的でした。やはり命がけで経営してきた会社は我が子のように大切な存在だと思うんです。変な相手には引き継ぎたくないし、引き継ぐ側にも「良かった」と思ってもらいたい。雇用を守りお客さんを守り次世代へつなぐ、そこが叶ったときは最高の喜びとなります。経営者人生の最後のお手伝いができるのは身が引き締まる思いと同時に、やり遂げた後の達成感もひとしおです。

手前味噌にはなりますが、「会計事務所にM&Aを頼む」のは顧問先にとってもメリットが大きいと思います。M&A仲介会社の都合で急かされるケースを耳にすることもありますが、我々は地域に根差してお仕事をさせていただいているため、顧問先が納得するまで待つ姿勢でいられます。そういう意味では、名南M&Aも会計事務所が母体だから、「私たちと同じ価値観で動いてくれる」という安心感があります。相手本位の精神で、お客様の喜びが自分の喜びであるwin-winの循環を作れますよね。これに加えて名南M&Aは上場企業ならではの信頼や責任感はもちろん、全国に会員ネットワークがあるので、集まる情報量が豊富で質がいいと思います。

M&Aに「見える化」のアイデアを

今後、M&A業界はどう変化していくでしょうか。課題などについてもお聞かせいただけますか。

今後さらにM&Aの需要が高まるに従い、M&A支援会社も増加していくでしょう。そうなると、現在の報酬体系を維持することは困難になる時期が来るでしょう。一方で最近の動きとしてお客様にとってはガイドラインなどで安心してM&Aが活用しやすい環境が整っていくことが想定されます。業界の仕組みを変えられるとしたら…M&Aは他人同士のマッチングですから、基本的に売り手も買い手も疑心暗鬼で始まります。それを少しずつ解消していきながら一緒になる、という状況です。そのため、相手の信用力を入り口で少しでも明瞭にできれば、もっと違う世界が見えてくるのではないかと考えます。買い手の信頼性を評価するしくみ、例えば財務など数値で表せる定量的な部分と、買い手としての「人の良さ」を示す定性的な部分をうまく表現できれば、と思ったりします。売り手についても、我々のような仲介業者が共通スコア化できるといいなと思います。

M&Aは最終的には「人と人の相性」だから、そこは数値化できないかもしれませんが、それ以外のところはある程度「見える化」できるんじゃないかと。売上金額や総資産、純資産など金額で出すのは抵抗があっても、数値や点数化して示すなら抵抗がない人もでてくるだろうと思います。IR情報というよりはプチ開示やランク評価のイメージです。そうすることで、スムーズなマッチングにつながるんじゃないかと思います。

貴重なお話をありがとうございます。それぞれの場所で切磋琢磨してきた‘同士’として情報交換ができますし、何より‘想い’を共有する相手がいるのはとても心強いな、と改めて思いました。

そうですね、地域性は違いますけどお互い中核都市で似た共通課題があり、しかも距離が離れているぶん忌憚なく情報交換できるし、悩みを共感できるのはありがたいですね。今後、売り手と買い手に分かれて「お互いFAで一緒に案件成約」ができる機会を楽しみにしています。

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