Interview
M&A支援
同業種でのM&A
地域に根ざした想いをつなぎ、
次の成長へ踏み出す決断
グループホーム事業を展開してきた有限会社アダモと、介護事業を成長戦略の柱として拡大を続けるやひろホールディングスグループの快明堂。事業環境の変化や人材確保の課題を背景に検討された今回のM&Aは、「事業の継続」と「従業員の未来」を見据えた決断でした。譲渡を決意した白坂社長と、譲受企業である斉藤社長に、その経緯と今後の展望についてお話を伺いました。

事業環境の変化と、将来を見据えた決断
グループホーム事業を譲渡された白坂社長に伺います。今回のM&Aのきっかけを教えてください。
白坂社長:3年前からM&Aを考えていました。当初、当社でグループホーム事業を始めたときから、求められるものが年々変わってきたと感じていました。グループホーム事業は、24時間365日サービスを継続する必要があります。
事業は継続していきたいものの、従業員の高齢化が進んでおり、5年、10年先を見据えたときに、自社規模でどこまで人材を確保できるのか不安がありました。
職員の将来を考えたとき、規模の大きな会社に引き継いでいただくことで、雇用の維持やサービスの質の向上につながるのではないかと考えました。
やひろホールディングスグループの快明堂は、富士市で事業展開をされており、地元企業である点に安心感がありました。
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斉藤社長:当社が属するやひろホールディングスは、介護事業を中心に展開しています。当グループも、アダモ様と同様に、維持か拡大かの選択を迫られていた時期があり、現在は拡大を選択し、M&Aを成長戦略として進めています。
現在は神奈川県と静岡県で26事業所を展開しています。
当社はもともと富士市内にグループホームを保有していましたが、生産性の面に課題がありました。アダモ様の施設は快明堂の施設と同じくワンユニットで、距離も近いため、人的交流によるシナジーを期待しました。
地元企業同士の信頼がつないだご縁
白坂社長:私も距離の近さは大きな魅力でした。譲渡するなら県外ではなく、地元企業が良いと考えていました。
富士市で広く展開されており、以前から知っていた快明堂様であれば安心できると感じていました。実際に斉藤社長、副社長とお話しし、この会社であれば安心して任せられると確信しました。
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決断の葛藤と、成約後の心境
成約式を終えてどんなお気持ちですか。
白坂社長:ニュースではよく耳にして、「M&A」という言葉は以前から知っていましたが、当事者になると悩みも多くありました。
グループホーム事業を始めて約18年、名南M&Aとは1年前からやり取りしていましたが、なかなか決断できませんでした。M&Aに踏み切った後も、この選択でよかったのかと自問自答する時期もあり、いわばマリッジブルーのような状態でした。特に今まで一緒に働いてきた社員の処遇については気になっていました。
ただ、長期的に考えると選択と集中の観点から良い決断だったと感じています。今後、快明堂のもとで、アダモのグループホーム事業が発展することを願っていますし自分にできることはサポートしていきたいと思っています。
本M&Aによって期待していることを教えてください。
斉藤社長:アダモ様のグループホームが加わることで、事業ラインナップが拡充されます。それにより従業員のキャリアの選択肢が広がります。従業員ひとりひとりが将来のキャリアマップが描けるようになり、雇用継続にも繋がります。
従業員が長く働くためには、イノベーションと規模拡大が必要だと考えています。M&Aを通じて価値観や文化の異なる方々の意見を取り入れ、新しい企業文化を築いていきたいと考えています。多様な価値観があることがひとりひとりの成長につながり、従業員の充実が利用者の増加にもつながると考えています。
白坂社長:介護業界は拡大が求められている分野でもありますので、今回のM&Aで、快明堂のもとでグループホームが発展していくことを期待しています。
私が継続していくデイサービス事業も拡大に取り組みつつ、グループホームの入居を希望される方にはやひろホールディングスや快明堂の施設をご紹介するなど、新しい協力体制を築き、連携していきたいと考えています。
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M&Aという選択肢が広げる未来
当初からM&Aを検討されていたのですか。
白坂社長:当初はM&Aという手法は考えていませんでしたが、会計事務所から紹介されて知りました。別の支援会社にも相談しましたが契約には至らず、その後、取引金融機関を通じて名南M&Aを紹介いただきました。
どのような時でもすぐに連絡を返してくださり 、本来対象外だろうということにも親身にサポートしていただきました。成約できたのは名南M&Aのアドバイザーの支援のおかげです。
斉藤社長:当社はこれまで複数回M&Aを経験しており、多くのM&A支援会社と接してきました。支援会社の質にばらつきもあり、慎重に見極めています。
今後、M&A支援の資格化が進むことで、より安心して依頼できる環境になることを期待しています。
名南M&Aは過去にも支援を受けており、信頼できるパートナーです。今後も地域のM&Aはお願いしたいと考えています。
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譲渡を検討する経営者へのメッセージをお願いします。
白坂社長:個人の感情と経営者としての判断を分けて考えることが重要です。
将来を見据えると葛藤はありますが、自社の規模では継続が難しいという現実もありました。自分が止まれば事業も止まる状況を変えたいと考えました。
今は問題がなくても、少し先を見据えて考えることが大切だと思います。良いご縁に恵まれることが何より重要だと感じています。
M&Aを成長戦略として検討する経営者へのメッセージをお願いします。
斉藤社長:まずは目標を持つことが重要です。その達成手段としてM&Aを活用していくべきだと考えています。
当社は複数M&Aを実施していますが、何度経験しても慣れることはなく、毎回真剣に向き合い、身の引き締まる思いで譲受けを行っております。企業ごとに文化は異なりますが、その違いを楽しみながら取り入れ、新たな価値を創造していきたいです。
責任を持って引き受け、介護に関わる方々の視点も大切にしながら、社会に貢献できる組織づくりを進めていきます。
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M&Aは単なる事業の引継ぎではなく、経営者の想いと従業員の未来をつなぐ意思決定です。地域に根ざした企業同士の信頼関係が、新たな成長の可能性を切り拓く好事例だと感じました。
