Interview
IPO支援
TOKYO PRO Market 上場支援
デジタルの専門家として
本質的なビジネス課題にアプローチする。
2025年10月23日、Tech-Integrator事業を行う株式会社アクトビが東証のプロ投資家向け株式市場「東京プロマーケット(TPM)」に上場しました。名南M&Aは、TPMへの上場審査業務を担うJ-Adviserとして上場を支援。アクトビ代表取締役社長兼CEOである藤原 良輔氏と執行役員の小高 結衣氏に、上場までの道のりや現在の心境についてお話を伺いました。

縁とチャンスが重なって
動き始めたプロジェクト
貴社についてお聞かせください。また、TPMに上場して1ヶ月が経ったところですが、変化などお感じになることはありますか?
藤原氏:当社はデジタル技術を生かして企業様のDX支援等に伴走する、Tech-Integrator事業をメインに行う「Purpose Driven Tech-Integrator(目的駆動型のテクノロジー専門家集団)」です。まだ無事に上場を果たせ安堵している「ホッ」という心境ですが、採用イベント等に登壇する際に、「上場企業」として紹介いただくことが多いので、企業として箔が付いたと感じています。採用応募者数が増え始めていることからも、対外的な評価も変わってきているのかな、と。また、社員のご家族にも安心感をお届けできたのではないかと思っています。
TPMに上場しよう、と思われた経緯についてお聞かせください。
藤原氏:きっかけは、共通の知人を通じてお会いした名南M&Aのアドバイザーです。名南M&AがJ-Adviserになったという話からTPMの存在を知り、詳しく説明を聞いたところ、「うちの会社もアリなのでは」と上場を意識するようになりました。当社はスタートアップ企業ではなく労働集約型のスモールビジネス領域で創業しています。経営方針も、爆発的な急成長というよりは長期視点で「持続的な成長」を優先してきました。‘上場ありき’で目標設定をしていたわけではありませんでしたが、永続的な会社づくりの視点から、早い段階でコーポレートガバナンス体制を整備したいとは考えていたので、TPM上場はいいきっかけだと思いました。
資金調達を必要とはしていませんでしたので、株式を通じて投資家から資金を調達できる本則市場への上場ではなく、流通株式比率の基準がなくオーナーシップを維持した状態で上場企業になれる点も魅力で、TPMへの上場を選びました。また当社は取引先に大手企業が多いため、顧客先における社内与信対策としても「上場企業という信用力」が必要だと考えていたタイミングでもあったのです。当社が「上場を目指す」と決めて動き始めたのがちょうど2年前、2023年の11月でした。
アドバイザー:初めてお会いしたのがその年の12月でしたから、まだ2年経っていませんね。
藤原氏:最短で上場するためにはどうしたらいいか、と相談させてもらい「決算期を変更して臨もう」と決めてからは怒涛の日々でしたが、名南M&Aのアドバイザーのおかげで走り抜くことができました。
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お互いを信頼して
歩み始めた上場への道のり
出会いをきっかけに、「今が上場のタイミングだ」と藤原社長がチャンスに敏感に反応されたのですね。J-Adviserを選ぶ際には、名南M&A一択だったのでしょうか。
藤原氏:それまでの相談を通じて、名南M&Aのアドバイザーに信頼を置いていたので、TPM上場するならJ-Adviserは名南M&Aで、と決めていました。
上場までの約2年間、名南M&Aと共に歩んできていかがでしたか?
藤原氏:私も、執行役員の小高も、初めての上場経験でしたから、「何がわからないかもわからない」状態でのスタートでした。名南M&Aのアドバイザーに、当社の情報をすべて開示したうえで、相談を重ね、私たちもひとつひとつ知識をつけながらコーポレートガバナンスを構築していきました。アドバイザーに伴走してもらったおかげで、上場準備の過程で組織も強くなったと感じています。アドバイザーからは時に厳しい指摘もありましたが、それはすべて東証の上場基準をクリアするために必要な課題です。「どうやって進めよう」と前向きなコミュニケーションをとれることが何よりありがたかったです。
アドバイザー:単に「どうしたらいいですか?」という質問ですと、我々もアドバイスに苦慮してしまうのですが、アクトビ様からはいつも十分に材料を出していただいたうえで比較検討し、一番いい方法をご提案する、という良い流れで伴走することができました。藤原社長のご決断が的確で早かったため、私たちもスピード感を持って前に進めました。お互い臨機応変に対応したその先に、ほぼ最短のスケジュールで上場が叶った、ということだと思います。
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伴走者を得て、チームとして
進めた上場プロセス
信頼関係があるからこそ、ですね。上場プロセスにおいて、苦労したことや印象に残っていることはありますか?
小高氏:専門用語もそうですが、わからないことだらけのスタートだったので、始めは苦労の連続でした。私も社長も、名南M&Aのアドバイザーには何度電話したことか。わからないことが発生した時点で都度お尋ねしても、快く応えてくれたおかげで、私たちも少しずつ上場に必要な知見を積み上げながら進めることができました。
「決断」が必要な局面では、いつも藤原社長が対応されたのでしょうか。先ほどアドバイザーから「藤原社長は決断が早い」という発言がありましたが、ご判断の軸を明確にお持ちだったのでしょうか。
藤原氏:判断が必要なタイミングで的確に対応できたのは、アドバイザーが‘答える側の視点を考慮して’質問を設定してくれたからだと思います。
アドバイザー:私は「選択肢を絞り、それらをすべて提示したうえで回答していただく」ほうが、効率のよいコミュニケーションに繋がると考えています。例えば私が「これが一番いいと思います」と一択でお勧めしたとしても、お客様にとって本当にベストがどうかを判断するには客観的な指標が必要ですよね。選択肢としていくつかあって、それぞれ精査したうえご判断いただく、というやり方にしないと、どこかで疑心暗鬼な気持ちが湧いてくると思うんです。藤原社長はその意図をご理解して信頼を寄せてくださったので、私たちもありがたかったです。
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信頼関係に基づくいいチームワークができていたのですね。
藤原氏:初めのうちは、監査法人やJ-Adviserに対して少し警戒していたんですよ。どこまで情報を提供していいものなのかと。でも名南M&Aのアドバイザーと対話を重ねる中で信頼関係が深まり、いつの間にかフルオープンになっていました。その方が上場を成功させるために建設的な話ができる、と安心して物事を進めることができました。
サステナブルな成長のために、
上場を通過点としてその先へ
今後の展望についてお聞かせいただけますか?
藤原氏:ちょうど先日、役員たちと当社の今の状況を棚卸ししたところです。わかりやすい話でいくと、将来の本則市場へのステップアップをめざす、という目標はあります。一方で、無理な成長はしたくない。成長率は低かったとしても、正しいと思える道を進み、右肩上がりの成長を続けていきたいと思っています。「100年先も成長を続ける会社」というサステナブルな姿勢は、創業当時から全くブレていませんので、我々に合った成長の先に、本則市場へのステップアップがあると見込んでいます。
計画ありきにはしない、ということですね。
藤原氏:そうです。無理して崩れる組織にはしたくありませんから。ただ「本則市場へのステップアップをめざす」という、テンションを張った状態はキープしたいと思っています。張りつめ過ぎることなく、バランスを大事にしながら堅実に成長を続けていきます。
驚くほどのスピード感でTPMへ上場を果たされた藤原社長より、アドバイスをいただけたらと思うのですが、例えば2年前のご自身へアドバイスをするとしたら、どんな言葉が思い浮かびますか?
藤原氏:2年前の自分へのアドバイスは…ないですね。知ってしまわない方がいいと思うので。私たちも上場準備の始めの頃はビクビクしていましたので、「何か決定的なダメ出しを受けるのではないか」と日々プレッシャーを感じながらも、ひとつずつ知識を得て前進する方がうまくいく気がします。それくらい緊張感を持って推進をしないと、コーポレートガバナンスをつくることは難しいと思います。厳しい言い方をすると、抜け道を探すような考え方の経営者は、上場しない方がいいと思います。これが2年前の自分を振り返ってみた時に浮かんだ言葉でしょうか。強い緊張感を持って臨んだからこそ、上場できた今のアクトビがあると思います。
J-Adviserとの相性も良かったんですね。
藤原氏:それは間違いないです。名南M&Aの担当アドバイザーが折に触れて「以前こういう出来事があったんですよ」と他社の上場準備過程でのトラブルエピソードを話してくれるんですよ。そのあとに、「アクトビさんの場合は大丈夫だと思いますけどね」と言ってくれるんですけど、目が笑っていない(笑)。その度に「このエピソードトークの意図は…」とアドバイザーの真意を深読みしたりしていました。信頼し合える関係性だからこそのやり取りだったな、と思います。
上場に関する知見がない状態からTPM上場に挑戦した私たちのような企業は特に、名南M&Aのアドバイザーはとてもいい伴走者になってくれると思います。TPMへ上場するということは、市場からの認知と社会的な信頼を得ること。東証の審査基準に沿うということは、「上場企業としてこうあるべき」という基準値を満たすことです。その道のりを独学で進むのは大変ですけど、パートナーである名南M&Aには上場準備で出てくる疑問はなんでも聞いていました。名南M&Aなら寄り添い、的確な回答を出してくれる、という安心感を得られます。聞く相手がいる、というのはとてもありがたかったです。
もうひとつ、アドバイザーに対してさすがプロフェッショナルだなと感心したのは、当社のビジネスモデルの優位性への理解が早く、かつ洞察が深かったことです。初回打合せ時から、ビジネス環境や当社が発信している情報を精査して理解した上で、私たちとほぼ同じ視座で会話を進めることができたので、序盤からストレスなくコミュニケーションが成立したのは本当にすごいと思いました。
アドバイザー:私たちは、J-Adviserというのは上場審査担当という立ち位置というよりは、コンサルタントだと思っています。上場後もお付き合いは続きますから、土台は信頼関係で結ばれていることが理想ですよね。今後のアクトビさんの飛躍が楽しみです。
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