Interview
IPO支援
TOKYO PRO Market 上場支援
上場を成長の通過点と捉え、
次のステージへ挑戦し続ける企業へ
株式会社フリースタイルは、システム開発やゲーム開発で培った強みを背景に、東京プロマーケット(TPM)へ上場を果たしました。名南M&AはJ-Adviserとして上場支援を担当。本記事では、同社代表取締役 青野 豪淑様に、上場の背景や成長戦略、今後のビジョンについてお話を伺いました。

段階的な上場戦略で、着実な成長基盤を構築
東京プロマーケットに上場した狙いを教えてください。
青野氏:一つ目は管理部門の健全化です。将来的にスタンダード市場やプライム市場を目指すにあたり、今まで自社が独自で進めてきた会計ルールなどではなく、外部から見られたときに透明性のある管理部を目指すため、勉強の意味も含めTPM上場を決意しました。
二つ目は、小規模であった管理部の体制で、いきなりスタンダード市場やプライム市場へ上場することはリスクが大きいと判断し、まずは当社の規模や管理体制の状況に適したTPMで実績と透明性を確保し、そこで完璧だと証明されたうえで次のステップに進めたいと考えました。
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上場準備を進める中で、プロセスや苦労された点は
青野氏:思った以上にありました(笑)。管理部構築や財務体制の整備は、メンバーも仕組みも含めて“総入れ替え”に近い形で見直しを行いました。経費の扱いや契約方法の見直しも行い改善することができました。費用も掛かりましたけど、これらは上場を目指す以上、いずれは必ず通るプロセスですので、今回のタイミングで取り組めたことは非常に満足しています。
ゲーム開発の知見を活かした独自の開発力
上場によって、企業経営はどのように変わると考えていますか
青野氏:当社は元々、元非行少年やひきこもり経験のある若者を雇用して、未経験からプログラマーやエンジニアへと育成していく会社です。ただそれだけでは成長に限界があると感じました。そのような人材は「不自由のない生活を送る」ということが幸せであり、さらに上を目指そうという夢に興味が薄く、入社がゴールになってしまうことも多いのです。
ゲーム開発事業部が手掛けたオリジナルタイトルが有名になり、その波及効果で優秀なエンジニアやプログラマーを目指す方の入社増えました。さらに組織を大きくするためには、そのような優秀な人材の確保のため、人材採用、人材育成の強化が必要だと感じています。
御社のシステム開発の強みについて教えてください。
青野氏:単なるシステム開発にとどまらず、UXやエンタメ性を取り入れた開発ができることが当社の強みです。
ゲーム分野はプログラミング業界の中で最も難しい分野だと考えています。
ゲーム分野におけるプログラミングは、正しく動作する仕組みをつくることだけではなく、それに加えて、ボタン音の工夫など、面白く動作させるUXを取り入れたプログラムが必要とされています。
正しく動作するプログラミングをやってきた人がゲーム分野に行くことは難しいですが、ゲーム分野のプログラミングの経験がある人はどこに行っても求められます。
業界から求められる人材を増やすため、ゲーム分野のプログラミングスキルをさらに伸ばしていきたいです。
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安定収益と自社開発の両輪で成長戦略を描く
今後の成長戦略は?
青野氏:人員規模を拡大してリソースを強化することですね。
当社はもともとシステム開発の受託事業をしており、人材を増やすことでリソースを生み出しています。クライアントの要望を形にするため開発を請け負う「下請け型」のビジネスモデルによって、安定的に収益を確保している、いわば安全施策です。
一方、自社開発事業は、現在は売上の約2割程ですが、プロパーである受託事業の量を増やしつつ、今後は自社開発事業も強化するため、人員を増やし、投資も積極的に行っていきます。3年から5年で現在の従業員数300名から1,000名に規模を拡大して、リソースの強化をしていきたいですね。
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“やる気を創り出す会社”へ
——フリースタイルの人材戦略とは
人材戦略について教えてください。
青野氏:もともとフリースタイルを立ち上げたのは、最大の教育会社となりたかったからです。
当社社員である元非行少年や元ヤンキーのメンバーは、ITスキル以前に、社会人としての基礎的な部分に課題を抱えているケースが少なくありません。
世の中の多くの企業は「即戦力」を掲げ、やる気のある人材を採用しようとします。そして教育制度や育成プランも、「やる気があること」を前提に設計されています。しかし、それでは限界があります。やる気のある人だけを伸ばしても、全体の母数は増えません。
むしろ本質的な課題は、「やる気のない層をどうやって動かすか」にあると考えています。ここに向き合わなければ、日本全体の生産性も大きくは変わらないでしょう。
このように「やる気」を改善する人事システムがない中、当社は人事を強化しています。私たちが目指しているのは、「やる気を生み出す人事システム」です。
現状、世の中には「やる気を前提とする制度」は多いですが、「やる気そのものを高める仕組み」はほとんど存在していません。
だからこそ当社は、やる気を“自動的に引き上げる構造”をつくりたいと考えています。
J-Adviserとして名南を選んだ理由を教えてください
青野氏:もともとのきっかけは、名南M&Aに勤めていた友人からの紹介でした。
当時の私にとって「上場」というものは自分とはかけ離れたものだと思っていたのですが、東京プロマ―ケットという市場について聞くと、採用や人材強化のメリットがありそうだと考え、上場を決意しました。
ただ、初めての経験で、上場については分からないことばかりでした。
その中で担当いただいた名南M&Aのコンサルタントは、本当に丁寧に、初歩的なところから一つひとつ教えてくださいました。
「上場をやめようか」と悩んだ時期もありました。
そんなときでも、コンサルタントは決して無理に引き留めるのではなく、優しく見守ってくれました。
その姿勢にはとても支えられましたし、今回の上場は自分の歴史に刻まれる大切な時間になったと感じています。
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これから東京プロマーケット上場を目指す企業にアドバイスをお願いします。
青野氏:まず大前提として必要なのは、「経営者自身の心の準備」と「企業としての準備」の両方です。そのため、経営者自身が覚悟を持つことはもちろんですが、それ以上に制度や体制といった企業側の準備が重要だと感じました。
上場すると、企業の透明性は一気に高まります。「事実としては理解していたこと」でも、いざそれを社会に開示し、評価を受ける立場になると、経営者としての意識が大きく変わり、経営者としても学びになります。
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