0120-123-745

受付時間/平日9:00~18:00

電話をかける お問い合わせフォームお問い合わせフォーム

Interviewお客様インタビュー

Interview

M&A支援

同業種でのM&A

譲渡側と譲受側、
双方の強み・弱みを生かして
Win-Winで未来へつなぐ。

「企業の継続のため」と将来を見据えて譲渡を決断された、50年の歴史を重ねる建設コンサルタント企業。その志を譲受けるのは、マーケット拡大を目指す測量専門企業。「お互いの課題を補完して、よりよい未来を志向できる」と判断し、課題解決に向けて手を携えた実例をご紹介します。譲る人、継ぐ人、いい関係性で将来へと目を向けるお二人に話を伺いました。

会社の存続のため、第三者承継を決断。
将来を見据えて55歳でバトンを後進へ。

はじめに、第三者承継(譲渡)という決断をされたアーステック株式会社の中川 輝会長にお伺いいたします。会社譲渡をお考えになった理由や背景などをお聞かせいただけますか。

中川氏:私は今年で55歳になりますが、弊社にはあと5〜10年で定年を迎える社員も多く在籍しています。これまで10数年、新卒の学生さんや中途を含め採用活動を進めてきましたが、地域的な課題もあり理系の人材獲得に苦慮してきました。また、私には大学生の息子がおりますが、土木系ではなく別の専門分野を専攻しており会社を継ぐ意思はありません。先代から引き継ぎ50年にわたって技術と知見を積み重ねてきたアーステック(株)を存続させたいと思っていましたが、人材採用と後継者不在がネックになっていました。その解決法として第三者承継に興味を持ち、「人材獲得に苦戦しない人口の多い都市に本社のある会社とM&Aができないか」と3年ほど前からリサーチを始めていました。

私自身が「60歳を迎える区切りだから」というわけではなく、余力があるうちにいい形で将来への道筋を立てたい、何より「会社の存続」を第一に考えた選択でした。

アーステック様を譲受された、株式会社MSSの酒井 誠代表取締役にお伺いします。会社の譲受けを希望された意図はどこにありましたか。

酒井氏:業容拡大を目指してM&Aを検討していました。業務領域と、営業エリアの拡大が目的です。官公庁からの入札による受注が主となる業界のため、マーケット拡大のためには同じエリアである愛知県に本社を置く会社との提携ではメリットが少なく、愛知県から車で行ける範囲の近隣の県に本社所在地がある会社とのご縁を探していました。また当社は官公庁の元請け会社から下請け受注することが多いのですが、入札の元請けになるためには、現状のMSSにはない新たな資格取得が必要となります。自社で資格取得をめざすよりは、すでに建設/測量コンサルタントとして設計関連の資格、技術、実績のあるアーステックさんとの提携はとても魅力的でした。

M&Aは「条件+縁とタイミング」。
必要なときに、的確な支援を得られる環境を。

名南M&A(株)と出会ったきっかけは?

中川氏:全国に数多あるM&A関連の企業からたくさんのDMメールが日々届くのですが、信用できませんでした。名古屋本社の名南M&Aなら地理的にも近いし、名古屋市の会社の案件も多いのではと考え、話を聞いてみよう、と私から連絡をしました。名南M&Aは税理法人のグループということで信用力もあると判断しました。何度かやりとりする中で、担当アドバイザーの丁寧で誠実な対応に信頼がおけると確信し、「任せてみよう」と気持ちが動いたのです。同業者のつながりがある近畿圏以外の会社でいくつか提携候補先を挙げていただき、その中から酒井社長のMSSさんと出会えました。

MSSさんは測量専門の会社だということ、これまでの実績と将来への前向きな姿勢、そして何より直接会ってみて酒井社長の人柄に惹かれて会社の未来を託す決意に至りました。

酒井氏:私は弊社の顧問税理士を通じて名南M&Aさんと繋がったのですが、担当アドバイザーの人柄が良く、丁寧な対応に安心して相談してみよう、という気持ちになったのが第一歩でした。

第三者承継をお考えになってから成約まで、どのくらいの時間がかかりましたか?

中川氏:約3年です。弊社は株式を複数名で所有しており、私に集約させるための整理に少し時間がかかりましたが、名南M&Aさんは税理士法人が母体の士業グループに属しているため、同グループである税理士や司法書士からの専門的で的確なアドバイスのおかげで最適な方法で着地することができました。

酒井氏:私がアーステックさんをご紹介いただいてからは1年くらいです。
お客様にもっといいサービスを提供するために、M&Aに限らず、数年前から会社の規模拡大や技術力・資本力向上のための施策を考えておりましたが、今回たまたまタイミングよくアーステックさんと出会えて、譲り受けるという選択肢になりました。

(株)MSS×アーステック(株)」は、
グループとして新なステージへ。

お話から「双方ともに運命の出会いだった」という印象を受けましたが、M&Aの過程で印象に残っていることなどはありますか?

中川氏:M&Aは、まず相手を知ることから始まります。こちらの条件に合わなければ簡単に契約はできない、と感じましたが、MSSさんは同業者で測量専門の企業でしたので、強み弱みが明確で進めやすかったと思います。

酒井氏:書類で提示いただいた段階でも、アーステックさんの技術力は申し分なかったですし有資格者も多く魅力的でした。それに加え、中川会長と直接お会いして、その人柄に触れ安心したことが話を進めるうえで大きかったと思います。私が生まれた1974年にアーステックさんは創業されており、MSSは2007年創業でまだ17年目の会社です。培ってきた歴史を含めて、これまで違う環境でそれぞれの道を歩んできた会社と会社が提携するのですから、どこまでいっても‘正解’はないですよね。M&Aは「成約してお金を払って完了」ではなく、「通過点」です。社員の方々の生活を守る責任も増えますから、身が引き締まる思いです。2023年4月に提携して約4ヶ月が経ちますが、現在はまだ登録関係の手続きでバタバタしていますので、実際これからですよね。

今後の展望については?

中川氏:新しい経営体制で出発し、私は顧問契約の会長として、顧客の引き継ぎや関係者への紹介などサポートに回っています。それぞれが軌道に乗ったら退任して、その後は自分のやりたいことを探して新たな目標を創っていきたいです。私自身、先代より経営を引き継いで30年にわたり酸いも甘いも経験してきました。50年続いた会社を次の50年に向けて、いい形で酒井社長に託すことができたと思っています。

酒井氏:現在、新社長と計画しているのが「アーステック名古屋支店」です。我々の業界は官公庁の仕事が多いので、滋賀本店で受託した仕事現場を名古屋のMSSが担う、そしてアーステック名古屋支店ができれば、愛知県の仕事の受託、とマーケットを拡大できる。創業した頃から考えていた支店展開が叶う状況が整いました。アーステックさんには支店展開のノウハウもありましたし、愛知(名古屋)と滋賀(長浜)で転籍を含めた社員間の交流により技術力の継承や雇用問題も解決できれば、連携することによってお互いのいいところをより伸ばしていけるのかな、と今後の発展を楽しみにしています。

社名はどちらも残るのですね?

酒井氏:MSS、アーステック、社名はそのままで、対外的にはグループ企業としてマーケットを拡大していきます。

お互いを信頼し、会社の将来のために同じ方向を向くお二人からは、良好な関係を築かれている雰囲気が伝わってきました。本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

お客様インタビュー一覧